磯城郡水道企業団

企業団のあゆみ

設立の経緯

 水道事業においては、人口の減少等による水需要の減少、老朽化施設の更新や耐震化対応による投資費用の増大、熟練職員の退職による技術力の低下や人材不足が大きな課題となっており、全国の多くの自治体において、将来的な水道料金の大幅な値上げや、安定した水道事業経営持続の困難化が懸念されている状況です。
 磯城郡3町においても、同様の事情により、今後、給水収益が減少傾向となることは避けられず、また、石綿管や老朽化施設の更新、管路の耐震化などのために将来的に多額の費用負担が見込まれています。
 一方、水道事業者が直面するこのような経営課題に対して、それぞれの市町村が単独で対応していくには限界があることから、令和元年10月に施行された改正水道法では、水道の基盤の強化のために、市町村の区域を超えた広域連携の推進を求める規定が追加されました。

 このような状況の中、磯城郡3町及び奈良県は、安定した水道事業経営を持続するため、投資費用の削減や事業運営の効率化による将来の水道料金の上昇幅抑制を目指して、平成26年7月の大和郡山市・天理市・磯城郡地域懇談会において、磯城郡の水道事業広域化についての検討を開始しました。平成28年7月には磯城郡3町における水道事業の広域化に関する覚書を締結し、この覚書に沿って、施設整備の面では、県営水道への転換・直結配水による更新費用の抑制、管理体制の面では、磯城郡3町の水道事業の経営統合による事業の効率化を基本方針として、広域化に向けた取組みを進めました。
 この取組みにより、川西町においては、平成29年6月に県営水道の直結配水を開始し、田原本町においては、平成30年3月に県営水道への転換を実施しました。また、三宅町においては、令和2年度に県営水道の直結配水を開始したところです。
 平成30年4月には磯城郡広域水道事業体設立準備協議会を設置し、経営統合に向けた課題分析や方向性の検討を開始し、平成31年3月には検討の方向性を取りまとめ、磯城郡広域水道事業体の設立の指針となる「磯城郡水道事業広域化基本方針」を策定しました。令和2年6月には、「磯城郡における水道事業広域化にかかる基本協定」を締結し、水道事業の経営の一体化を実施するにあたり関係する基本的事項について合意しました。令和3年9月1日には、奈良県知事より磯城郡水道企業団の設立が許可され、組織が発足したところです。
今後は、創設事業認可の取得等の事業開始に向けた手続きを経て、令和4年4月1日より、磯城郡水道企業団として、磯城郡の水道事業の運営を開始する予定です。

年表
年月 備考
平成26年7月 大和郡山市・天理市・磯城郡地域振興懇談会を開催し、磯城郡3町における施設共同化・広域化の検討を開始
平成28年5月 磯城郡3町水道広域化懇話会を開催
平成28年7月 「磯城郡における水道事業の広域化に関する覚書」を締結し、磯城郡3町において広域的に水道事業を経営する事業体の設立に向け協力して取り組むことを確認
平成28年10月 「磯城郡水道広域化推進協議会」を設置し、磯城郡3町において広域的に水道事業を経営する事業体の設立に向けた協議、検討を開始
平成29年6月 川西町で県営水道の直結配水を開始し、全量を県営水道に転換
平成30年3月 田原本町も全量を県営水道に転換
平成30年4月 「磯城郡広域水道事業体設立準備協議会」を設置するとともに、事務局として準備室を設置し、経営統合に向けた課題分析や方向性の検討を実施
平成31年3月 それまでの検討の方向性を取り纏め、磯城郡広域水道事業体の設立の指針となる「磯城郡水道事業広域化基本方針」を磯城郡広域水道事業体設立準備協議会で策定
令和2年3月 磯城郡3町の水道事業を統合し、水道事業の経営の一体化を実施するにあたり関係する基本的事項について定めた「磯城郡水道広域化計画」を磯城郡広域水道事業体設立準備協議会で策定
令和2年6月 「磯城郡における水道事業広域化にかかる基本協定」を締結し、水道事業の経営の一体化を実施するにあたり関係する基本的事項について合意
令和3年3月 三宅町でも県営水道の直結配水を開始し、全量を県営水道に転換
令和3年3月 磯城郡水道企業団規約案等について、磯城郡広域水道事業体設立準備協議会で協議(事実上の協議)
令和3年6月 磯城郡水道企業団の設立議案を磯城郡3町の各議会に上程し、議決
令和3年6月 磯城郡水道企業団の設立について、磯城郡3町で協議(法定上の協議)
令和3年7月 奈良県知事に磯城郡水道企業団の設立許可を申請
令和3年9月

奈良県知事より設立許可

令和4年3月

奈良県知事より創設事業認可

令和4年4月1日

磯城郡水道企業団による水道事業の運営開始